リースバックは自宅の売買です。買主が宅地建物取引業者かどうか、その免許が本物かどうかは、国土交通省の「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」で誰でも確かめられます。商号でも免許番号でも引けます。
免許番号に付いているかっこの中の数字は、更新の回数です。宅地建物取引業法3条2項は免許の有効期間を5年と定めています。かっこが(1)なら5年以内、(3)なら更新を2回受けているので11年目以降、という読み方になります。
頭に付く「国土交通大臣」と「○○県知事」は、規模ではなく事務所をいくつの都道府県に置いているかの違いです。2つ以上の都道府県に事務所を置くなら大臣免許、1つの都道府県内だけなら知事免許です(3条1項)。
宅地建物取引業者名簿は、法10条により一般の閲覧に供されます。処分を受けた記録もここに載ります。免許行政庁の窓口で閲覧できます。
なぜリースバックで免許を確かめるのか
リースバックでは、自宅を売ってそのまま賃借人として住み続けます。売買と賃貸借が同時に動くため、相手が途中で倒れたときの影響が大きくなります。買主が倒産した場合に何が起きるかは破産法53条と56条の記事にまとめました。
制度の側も動いています。2026年10月1日から、リースバックの勧誘で賃貸借の条件を告げないことが宅建業法上の禁止行為に位置づけられます。詳しくは国のガイドラインができた件で扱いました。禁止行為に違反すれば監督処分の対象になり、その記録は名簿に残ります。免許を確かめることは、その記録にたどり着くための入口でもあります。
国土交通省の検索システムで引く
使うのは「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」の宅地建物取引業者タブです。入力できるのは次の3つで、組み合わせても使えます。

図1 検索の入り方
商号または名称で引く
全角カナ検索と漢字検索があります。株式会社・有限会社などを除いた名称で入力します。AND条件とOR条件を選べます。
免許番号で引く
免許行政庁を選び、番号の範囲を指定します。契約書や広告に書かれた番号をそのまま確かめるときはこちらが確実です。
所在地で絞る
都道府県を選びます。空欄のときは事務所所在地も検索対象になると案内されています。
結果を見る
免許行政庁でソートでき、表示件数も選べます。掲載されているのは、国土交通大臣が免許をした業者と都道府県知事が免許をした業者の情報です。
検索して出てこない会社は、少なくともこのシステムに宅地建物取引業者として載っていない、ということです。名称の表記ゆれで引けないこともあるので、漢字検索とカナ検索の両方、そして免許番号でも引いてみてください。それでも出なければ、相手に免許番号の確認を求めるのが順序です。
免許番号の読み方
免許番号は「○○(n)第△△△△△号」の形をしています。3つの部分それぞれに意味があります。
| 部分 | 例 | 読み取れること |
|---|---|---|
| 免許行政庁 | 国土交通大臣/東京都知事 | 事務所を2つ以上の都道府県に置くなら大臣、1つの都道府県内だけなら知事(法3条1項) |
| かっこの中の数字 | (1)(3)(10) | 更新の回数。有効期間は5年(法3条2項) |
| 第○○○号 | 第12345号 | 免許行政庁が付けた番号。会社の規模や優劣とは関係ない |

ここで誤解されやすいのが2点あります。
ひとつは、大臣免許のほうが格上ではないということ。条文が分けているのは事務所の置き方だけで、資本金でも実績でもありません。1都道府県で長く営業している会社は、何度更新しても知事免許のままです。
もうひとつは、かっこの数字が小さい=危ないとは限らないこと。(1)は5年以内に免許を受けたという事実を示すだけです。ただし、リースバックのように長期の賃貸借が絡む取引では、相手が何年その事業を続けているかは判断材料になります。数字そのものではなく、数字が示す年数と、契約で想定している居住期間を並べて見てください。
更新の申請中に有効期間が過ぎることもあります。法3条4項は、更新の申請があった場合に有効期間の満了日までに処分がなされないときは、従前の免許は処分がなされるまでの間なお効力を有すると定めています。5項により、更新後の有効期間は従前の満了日の翌日から起算します。満了日を1日過ぎていたからといって、直ちに無免許になるわけではありません。
名簿には処分の記録も載る
検索システムより踏み込んで調べるなら、宅地建物取引業者名簿そのものを見ます。法8条1項は「国土交通省及び都道府県に、それぞれ宅地建物取引業者名簿を備える。」とし、2項が登載する事項を列挙しています。先頭に来るのが免許証番号及び免許の年月日です。
そして法10条が、名簿と一定の書類を「一般の閲覧に供しなければならない」と定めています。閲覧は免許行政庁の窓口で行います。大臣免許なら主たる事務所の所在地を管轄する地方整備局等、知事免許ならその都道府県の担当課です。
図2 名簿の閲覧で確かめたいこと
- 免許証番号と免許の年月日。かっこの数字と突き合わせる
- 過去に指示処分や業務停止処分を受けていないか
- 役員や事務所の変更が繰り返されていないか
- 専任の宅地建物取引士の氏名
営業保証金は本店1,000万円
宅地建物取引業者は、営業を始める前に営業保証金を供託しなければなりません(法25条1項)。金額は政令で定められ、宅地建物取引業法施行令2条の4は主たる事務所につき1,000万円、その他の事務所につき事務所ごとに500万円と定めています。
| 事務所 | 金額 |
|---|---|
| 主たる事務所(本店) | 1,000万円 |
| その他の事務所(支店など) | 1か所につき500万円 |
供託の届出をした後でなければ事業を開始できず(法25条5項)、免許の日から3か月以内に届出がないときは免許行政庁が催告をします(同条6項)。免許を受けた=すぐ営業できる、ではないという順序です。
なお、保証協会に加入して弁済業務保証金分担金を納める方法もあり、その場合は営業保証金の供託が免除されます。取引の相手方が損害を受けたときに一定額まで還付を受けられる仕組みという点は共通です。
確認の手順
| 調べる場所 | 分かること | 手間 |
|---|---|---|
| 国土交通省の検索システム | 免許の有無、免許行政庁、免許番号 | その場で無料 |
| 免許行政庁での名簿の閲覧 | 処分歴、役員、専任の宅地建物取引士など | 窓口に出向く |
| 重要事項説明書 | 契約する物件と条件の法定事項 | 契約手続の中で受け取る |
| 法務局の登記事項証明書 | 会社の商号・本店・役員・設立年月日 | 手数料がかかる |
重要事項説明でどこまで説明を受けられるかは宅建業法35条・37条の記事に整理しています。相手を比べる段階の進め方は相見積もりの手順にまとめました。
よくある質問
免許を持っていない相手とリースバックの契約をしてもよいですか
自分が所有する不動産を1回売るだけであれば、相手が宅地建物取引業者でなくても取引自体は成立します。ただし宅建業者でなければ、宅建業法に基づく重要事項説明や監督処分の枠組みは働きません。相手の免許の有無は、使える保護の範囲が変わる論点です。
かっこの中の数字が大きいほど安心ですか
数字は更新の回数を示すだけで、経営状態の良し悪しを示すものではありません。有効期間が5年なので、(3)なら更新を2回受けて11年目以降という年数の目安になります。年数と、契約で想定している居住期間を並べて判断してください。
大臣免許と知事免許ではどちらが安全ですか
法3条1項が分けているのは事務所を置く都道府県の数だけです。安全性の優劣を示す区分ではありません。
処分を受けたかどうかはどこで分かりますか
宅地建物取引業者名簿に登載されます。法10条により名簿は一般の閲覧に供されるので、免許行政庁の窓口で確認できます。
免許の有効期間が切れていたらどうなりますか
更新の申請をしていて処分がまだ出ていない場合は、法3条4項により従前の免許がなお効力を有します。申請自体をしていない場合は、その期間の営業は無免許での営業にあたります。心配な場合は免許行政庁に確認してください。
参照した一次情報
- 国土交通省「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」宅地建物取引業者検索https://etsuran2.mlit.go.jp/TAKKEN/takkenKensaku.do(商号のカナ・漢字検索、免許番号検索、所在地検索、掲載範囲の補足説明。2026年9月27日確認)
- e-Gov法令検索「宅地建物取引業法」(昭和27年法律第176号)https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000176(3条1項の大臣免許と知事免許、2項の有効期間5年、3項の更新、4項・5項の申請中の扱い、8条の名簿、10条の閲覧、25条の営業保証金。令和8年4月1日施行版/2026年9月27日確認)
- e-Gov法令検索「宅地建物取引業法施行令」(昭和39年政令第383号)https://laws.e-gov.go.jp/law/339CO0000000383(2条の4の営業保証金の額。主たる事務所につき1,000万円、その他の事務所につき事務所ごとに500万円。2026年9月27日確認)














