【注意】不動産リースバックのトラブル事例7パターン。トラブル事例と対策・現状を徹底解説!

man
「不動産リースバックにトラブルがあるって聞いたんだけど、本当?」
「不動産リースバックのトラブルってどんなものがあるの?」

不動産リースバックを真剣に検討するならば、トラブル事例も把握しておきたいというのが本音だと思います。今回は、不動産リースバックのトラブル事例について、対策や現状を交えて、解説します。

不動産リースバックのトラブル事例

トラブル事例その1.予定通りに「買戻し」ができない!

不動産リースバックは

  • 買戻しが可能
  • 自宅に住み続けられる

メリットがある不動産売却の方法です。

「買戻しができる」ことが、不動産リースバックの大きなメリットです。

利用する方も

man
「一時的にお金が必要だから、不動産リースバックを利用するけど、数年でお金は貯まるはずだから、買戻せば良い。」

と考えて、不動産リースバックを利用するのですが・・・

家賃を支払うことになるため

  • 思ったように買戻しのお金が貯まらない
  • ズルズル家賃を支払続けてしまっている

ということになりやすいのです。

トラブル対策

不動産リースバックを「買戻し」前提で利用する際には

  • 家賃がどのくらいになるのか?
  • 諸費用がどのくらいかかるのか?
  • いくら支払われるのか?
  • 買戻し費用はいくらになるのか?
  • 家賃を支払って、毎月いくら貯金ができるのか?
  • 何年で買戻し費用が貯まるのか?

綿密な計画を作ってから利用すべきです。

teacher

上記の数字がクリアにならないのであれば、「買戻し」の計画が立たないのと同じことを意味します。

必ず、上記の数字を把握した上で、不動産リースバックを利用すべきです。

トラブル事例その2.買取額が一般の不動産売却と比較して安い!

不動産リースバックは、通常の不動産売却と比較すると

売却額は2割~3割安くなるもの

です。

不動産リースバックの買取査定額の決まり方

買主である不動産リースバック業者や不動産投資家の目線で言えば

  • 住み続けさせなければならない
  • 買戻しに応じなければならない

という制限があるからこそ、制限のない不動産売却よりも、買取額が安くなってしまうのです。

これを知っていて、不動産リースバックを利用するのは問題はありませんが・・・

知らずに後で、知り合いの不動産会社などと話して、市場相場がわかると

man
「他の不動産会社で売れば、1,500万円だって言われたんだけど、不動産リースバックでは1,200万円で買い叩かれた。おかしいじゃないか?」

と、間違った認識により、クレームを入れる方も少なくないのです。

不動産リースバックは、通常の不動産売却相場よりも、買取価格が安いものなのです。理解した上で利用しなければならないのです。

トラブル対策

不動産リースバックは、通常の不動産売却相場よりも安いものであることを理解しておく必要があります。

その上で

  • 自宅に住み続けなくても良い
  • 買戻しをしなくても良い

のであれば、通常の不動産売却をおすすめします。

不動産売却は査定だけを依頼することもできるので

  • 不動産リースバックでの売却価格
  • 通常の不動産売却での売却価格

を両方出してもらって「売却価格を比較する」ことも一つの方法です。

不動産リースバックと通常の不動産売却を徹底比較。どちらを選ぶべき?

トラブル事例その3.家賃が払えなくなって、結局近くに引っ越すことに!

不動産リースバックは

自宅を借りるときの家賃は、買取価格から逆算して決定されます。

不動産リースバックの家賃の決まり方

不動産投資家の目線で言えば

  • 誰に貸しても良い通常の賃貸物件
  • 貸す人が限られている不動産リースバックの物件

で言えば、条件が厳しい「不動産リースバックの物件」の方が高い利回りを期待せざるを得ないのです。

つまり、周辺の賃貸物件と比較して、不動産リースバックの家賃は高く設定されてしまうのです。

利用する方も「不動産リースバック」を利用するときに「家賃」は提示されるので、その「家賃」に同意した上で不動産リースバックを利用するはずですが・・・

man
「思ったよりも、家賃の負担が重い」
「買い戻しが予定通りにできず、家賃を支払続ける負担が重い」
「周辺の家賃相場が落ちているから、より元自宅の家賃の高さが目立つ」
「同じ家賃を払うなら、周辺でもっと広い家に移れる」

と、家賃を支払っている間に家賃負担の重さに気付くことも少なくないのです。

結局、この段階で「周辺の賃貸物件に引っ越す」という選択をする方も少なくないのです。

man
「失敗したな、はじめから不動産リースバックじゃなくて、通常の不動産売却をして高く売ったうえで、引っ越しておけば良かった。」

と後悔する方も少なくないのです。

トラブル対策

まずは「不動産リースバックの家賃は、周辺の同じ築年数、同じ間取り、同じ広さの賃貸物件と比較して、割高に設定されるもの」ということを理解して利用する必要があります。

その上で、家計を考えながら

  • その家賃を払い続けられるのか?
  • 買戻しをするのであれば、どのくらい貯金ができるのか?

を検討する必要があります。

また、

周辺の同じ築年数、同じ間取り、同じ広さの賃貸物件と比較して、「不動産リースバック業者に呈示された家賃」がどのくらい割高なのか?

も把握しておきましょう。

家賃相場は、このサイトで調べることができます。

  • 通常の不動産売却を利用した場合の「売却価格」
  • 周辺の同じような賃貸物件の「家賃」

  • 不動産リースバックを利用した場合の「売却価格」「家賃」

の両方を把握した上で「どちらが良いのか?」検討すれば、トラブルになる可能性はほとんどなくなります。

トラブル事例その4.相続人である子や孫とのトラブルが発生する可能性がある!

不動産リースバックは、収入が減少する高齢者が利用することが少なくありません。

不動産リースバックは

自宅に住み続けられる

ため、売買の当事者以外の方には、変化がわかりません。

相続人である子供や孫、ご兄弟が

man
「親がなくなったら、実家を相続すれば、それなりにお金が入る。」

とアテにしていることも少なくありません。

しかし、不動産リースバックを利用していたら、自宅(実家)はすでに売却して、不動産リースバック業者の所有物になってしまっているので、当然、相続財産には含まれません。

相続が現実的な段階になってから

man
「あれっ、実家の所有者が不動産リースバック業者のものになっている。相続できないの!?黙って実家を売ったの?」

と、子供や孫、ご兄弟との関係性が悪化してしまうトラブルも起こりうるのです。

「不動産リースバック」を利用するときには、対象不動産の所有者全員の同意が必要ですが、相続人の同意は不要なので、このような問題が出てきてしまうのです。

同じように自宅を担保にしてお金を借りる「リバースモーゲージ」の契約条件には「推定相続人全員の承諾を得る必要がある」としている銀行がほとんどなのです。「リバースモーゲージ」でわざわざ推定相続人の同意が必要になっているのは、このような家族間のトラブルが発生しやすいことを意味しています。

トラブル対策

高齢者になってから、家族の関係が悪化するのは、ある意味最大のトラブルとも言えます。

これは回避するためには

不動産リースバックを利用する前には、相続する人(相続人)に不動産リースバックの利用(自宅の売却)を伝えておいた方が良い

ということになります。

トラブル事例その5.不動産リースバック業者の倒産時の退去リスクがある!

不動産リースバックは、2年、3年の定期賃貸借契約を結んで、2年ごと、3年ごとに更新するスタイルの契約が一般的です。

不動産リースバックを利用する際には

希望すれば何年でも延長可能

というのが契約にも、盛り込まれているので、住み続けることは家賃を支払続けられれば可能になるのです。

しかし、不動産リースバック業者が倒産した場合は、話が別です。

不動産リースバック業者が倒産すれば、債権者が不動産リースバック業者が保有する財産を換価(お金に変える)形で、債権を回収します。

この段階で、不動産リースバックを利用した物件は、不動産リースバック業者の財産ですので、競売や任意売却で売却されてしまう可能性があるのです。

第三者に物件が渡ってしまえば、住み続けることができるかどうかは、買主次第となってしまいます。相談の上、同様の不動産リースバック契約を結ぶこともできないわけではありませんが、買主が「別の方に貸したい」「自分で使いたい」となれば、退去しなければならなくなってしまいます。

トラブル対策

不動産リースバックを利用するときには

信頼できる不動産リースバック業者を選ぶ

ことが重要になります。

「信頼できる」 = 「倒産しない」

ということですから、上場企業や比較的企業規模の大きい不動産リースバック業者を利用すべきです。

小規模な不動産リースバック業者では、倒産時に退去しなければならないリスクが発生してしまうのです。

大手企業の不動産リースバック業者はこちら

トラブル事例その6.不動産リースバックの審査に通らない!

不動産リースバックは、希望すれば利用できるものではありません。

まず、大前提として

住宅ローン残高(残債) < 自宅の評価額

でなければ、利用できないものです。

住宅ローン残高(残債) > 自宅の評価額

で、不動産リースバック業者が買い取ってしまうと、買取額を住宅ローン返済に回しても、住宅ローンが完済できず、住宅ローンの支払と家賃の支払いが二重に発生してしまうためです。当然、支払が継続できなくなる可能性が高いので、不動産リースバック業者は、この状態だと審査に通さないのです。

住宅ローンを借りるとき、諸費用分もありますし、新築物件は「新築プレミアム(物件価格の15%程度)」が乗っかっている状態で購入するのですから、築20年は経過していないと

住宅ローン残高(残債) < 自宅の評価額

という状態になりにくいのです。

そのほかにも

  • 不動産リースバック業者によっては、エリアの制限がある場合
  • 借地物件の場合
  • 所有者全員の同意が得られない場合
  • 任意売却物件
    ・・・

など、利用できないケースも少なくないのです。

man
「不動産リースバック業者に査定を依頼したら、査定する前に断られた。」

と憤りを感じる方も少なくありませんが、元々不動産リースバックは利用条件があり、審査に落ちる可能性もあるサービスなのです。

不動産リースバックの審査落ちの理由と審査落ち対策

トラブル対策

不動産リースバック業者の利用条件を事前に確認しておく必要があります。

また、

  • 「住宅ローン残高(残債) > 自宅の評価額」なのか?
  • 「住宅ローン残高(残債) < 自宅の評価額」なのか?

は査定をしてもらわないとわからないので、不動産リースバック業者に依頼した上で、審査が通らない可能性があることを理解しておきましょう。

トラブル事例その7.家賃が支払えなければ退去しなければならない!

不動産リースバックは、不動産リースバック業者が大家さんで、利用者が借主となる賃貸借契約(定期賃貸借契約)を締結します。

当然、「家賃の未払い」が続けば「退去」を求められます。

「退去」にも、応じなければ、「明渡訴訟」を起こされて、裁判になります。

ここら辺は、通常の賃貸と同じです。

ただし、家賃が周辺相場よりも、高く設定されているため、支払が継続できない可能性も、通常の賃貸物件よりも大きいのです。

また、周辺の家賃相場は、年々、新築物件が建って、築年数が古くなれば、下がっていきますから、ずっと同じ不動産リースバックの家賃は、相対的に割高になっていくのです。

年々、割高になる家賃に耐えられず、家賃の未納から、退去しなければならなくなるトラブルも発生する可能性があるのです。

トラブル対策

家賃の滞納をしないこと

は大前提ですが

少しでも、家賃の提示が安い不動産リースバック業者を利用する

ことが重要になります。

不動産リースバック業者は、査定をしない限りは家賃の提示ができないので

3社、4社の不動産リースバック業者に相見積もりをとって、一番高い買取額と一番安い家賃を提示してきた業者を採用する

という方法をおすすめします。

また、買取額を安くすれば、家賃も安くできるので「買取額をこちらから下げる」という方法も有効です。買取額を下げて、家賃を抑えることで、家賃の未納トラブルを回避し、買戻しもしやすくなるのです。

まとめ

不動産リースバックのトラブル事例には

  1. トラブル事例その1.予定通りに「買戻し」ができない!
  2. トラブル事例その2.買取額が一般の不動産売却と比較して安い!
  3. トラブル事例その3.家賃が払えなくなって、結局近くに引っ越すことに!
  4. トラブル事例その4.相続人である子や孫とのトラブルが発生する可能性がある!
  5. トラブル事例その5.不動産リースバック業者の倒産時の退去リスクがある!
  6. トラブル事例その6.不動産リースバックの審査に通らない!
  7. トラブル事例その7.家賃が支払えなければ退去しなければならない!

のようなものがあります。

どのトラブルにも、対策がありますので、トラブルを回避することは可能です。

たいていの不動産リースバックのトラブルは、不動産リースバックのサービス内容を正確に把握していないことから発生するものです。

  • 不動産リースバックは、買取額が安い
  • 不動産リースバックは、家賃が高い
  • 不動産リースバックは、審査があり、利用できない場合もある

ということを事前に理解した上で

teacher
複数の不動産リースバック業者から相見積もりを取って、条件が一番良い不動産リースバック業者を利用すれば、たいていの不動産リースバックのトラブルは回避できるはずです。相見積もりを取るのも、大きな労力を伴いますが、今後のトラブルを回避する意味では非常に重要なことなので、実行することをおすすめします。

また、

  • 家賃がどのくらいになるのか?
  • 諸費用がどのくらいかかるのか?
  • いくら支払われるのか?
  • 買戻し費用はいくらになるのか?
  • 家賃を支払って、毎月いくら貯金ができるのか?
  • 何年で買戻し費用が貯まるのか?

などをチェックした上で、今後、数十年間の家計の計画を立てることも重要なポイントです。なんとなくで不動産リースバックを実行せず、実行する前に計画・シミュレーションを立てることが必要不可欠です。

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