不動産リースバックの買戻し額はいくらになるの?リースバック時の売却額(買取額)と同じ?高し?安い?

man
「不動産リースバックをした後に買い戻すときの金額はいくらになりますか?」
「不動産リースバックをした後に買い戻す金額の計算方法を教えてください。」

不動産売却ではなく、不動産リースバックを選ぶということは、多くの方が「買戻し(再売買)」を前提として、不動産リースバックを選んでいると思います。では、その「買戻し額(再売買額)」というのは、いくらになるのでしょうか?今回は、不動産リースバックの買戻し額について解説します。

不動産リースバックの「買戻し」とは?

不動産リースバックは

自宅を売却して、その自宅に家賃(リース代)を支払いながら住み続けるサービスのこと

を言います。

家賃を払いながら、不動産リースバックを利用している方が選択できるのは

  1. 賃貸を継続する
  2. 退去する
  3. 買い戻す

の3種類になります。

基本的には

  1. 賃貸を継続する → 定期賃貸借の契約期間ごと(2年、3年)での更新
  2. 退去する → いつでも選択可能
  3. 買い戻す → いつでも選択可能

というタイミングで判断することになります。

今回は、この中の「買戻し」について解説します。

不動産リースバックの買戻しとは?

不動産リースバック会社に売却した自宅を、もう一度買い取って、自分の所有権を取り戻すこと

を意味します。

例えば

man
「一時的に病気で仕事ができなくなり、生活費が必要だったので、不動産リースバックを利用しましたが、無事病気が回復し、働けるようになったので、貯金を貯めて、3年後に買い戻しました。」
staff
「会社の資金繰りが悪化し、愛着のある自宅ですが、一時的に不動産リースバックを使い、会社の事業資金に充てました。業績が順調に良くなり、資金的な余裕ができたので、5年後に買い戻しました。」
grandpa
「自宅を手放して、老後資金としていたが、子供たちがどうしても、愛着のある自宅を手放したくないと、資金を用意してくれたので、再度買戻ししました。」

という形で、「買戻し」ができることが不動産リースバックを使う最大のメリットとも言えるのです。

単純に売却額だけのことを考えれば

不動産リースバック < 不動産売却

で、一般の市場で売却した方が高く売れるのですが、「買戻し」ができるからこそ、不動産リースバックを選択する方が多いのです。

不動産リースバックを利用する方の中には

man
「愛着のある自宅をいつかは買い戻したい。」

と考えている方が多いかと思います。

不動産リースバックの買戻し額はいくらになるの?

「買戻し」という表現を聞くと

不動産リースバックでの売却額 = 買戻し額

と考えてしまう方も多いのですが、実際には「=(イコール)」になるケースはあまりありません。

再購入の価格はいつ決まる?価格の設定方法は?
再購入に必要な価格は、リースバックの契約時にあらかじめ提示する業者もあれば、そのときになってみないと分からないところもあります。前者なら、年数が経っても価格が変わらないので安心です。一般的には売却価格に諸経費を上乗せした金額になることが多く、諸経費には業者が買取時に負担した税金や登記費用などが含まれます。

多くの不動産リースバック会社の設定は

不動産リースバックでの売却額 < 買戻し額

であり、

不動産リースバックの買戻し額の相場 = 売却額(買取額)の110%~130%

となるのです。

不動産リースバックをするにあたって、不動産リースバック会社が負担している

  • 不動産取得税
  • 登記費用
  • 営業、管理などの人件費
  • 広告宣伝費
  • 修繕費
  • 固定資産税などの税金

などがかかっているため、「かかった諸費用分を加味して支払わないと、買い戻せない」という設定になっていることが多いのです。

実際に筆者が利用した「セゾンファンデックス/リースバック」では

  • 買取金額:500万円
  • 買戻し金額:650万円

ですので

不動産リースバックの買戻し額の相場 = 売却額(買取額)の130%

となっていました。

「買戻し」と表現すると、同額で買い戻せるイメージがありますが、トラブルになりやすいため、不動産リースバック会社も、「買戻し」ではなく、「再購入」「再売買」という表現を使う形にシフトしています。

不動産リースバックの売却額よりも、買戻し額が安くなる不動産リースバック会社もある?

あります。

例:一建設/リースバックプラス

一建設株式会社は、通常のリースバックとは違うサービスを提供しているリースバック業者です。

その中でも「標準プラン」であれば

  • 長く住めば住むほどに再購入価格が下がる

というサービス設計になっているのです。

例:ミライエ/リースバック

株式会社ミライエは、社員数10名~20名の比較的小規模な不動産会社です。

大企業としては

staff
「買戻しする場合は、かかった会社のコスト分も捻出してもらわないといけない。」

と考えるので

不動産リースバックの買戻し額の相場 = 売却額(買取額)の110%~130%

となるのですが

ミライエの場合は、ミライエが持つ不動産投資が買い手になるため

staff
「毎月支払ってくれる家賃(リース料)で、はじめの投資額は徐々に回収が進んでいる。そのため、買戻し額は、はじめの買取額よりも、安くても大丈夫。」

と考えているのです。

これはかなりレアな不動産リースバック会社ですが、

不動産リースバックでの売却額 > 買戻し額

と、売却した金額よりも、買戻しするときの金額の方が安く設定されているのです。

ミライエの過去の売買事例
都道府県物件種別買取額家賃買戻し予定額
東京都府中市戸建て1,600万円5.5万円1,850万円
東京都西多摩郡戸建て200万円5.0万円50万円
新潟県妙高市戸建て200万円5.0万円130万円
千葉県船橋市戸建て1,450万円12.0万円850万円
千葉県八街市戸建て190万円4.5万円190万円
千葉県富里市戸建て290万円5.5万円300万円
埼玉県鶴瀬市戸建て2,000万円16.0万円2,200万円
千葉県千葉市マンション400万円4.1万円400万円
茨城県小美玉市戸建て270万円4.5万円30万円
千葉県佐倉市戸建て270万円4.0万円未定
千葉県南増尾戸建て600万円6.5万円希望せず
東京都墨田区戸建2,000万円13.0万円2,200万円
千葉県旭市戸建500万円4.5万円550万円
岩手県盛岡市戸建1,900万円9.5万円なし
愛知県北名古屋市マンション750万円6.5万円540万円
静岡県浜松市戸建900万円5.5万円600万円
神奈川県川崎市マンション1,200万円8.0万円保留中
群馬県桐生市戸建430万円5.0万円退去予定
茨城県取手市マンション700万円6.5万円500万円
秋田県大曲市戸建550万円5.5万円退去予定
新潟県長岡市戸建700万円6.5万円350万円
静岡県沼津市戸建600万円6.0万円650万円
長野県松本市戸建750万円8.5万円530万円
秋田県鹿角市戸建600万円6.5万円450万円
茨城県常陸大宮市マンション700万円8.0万円未定
千葉県東金市戸建450万円4.5万円退去予定
愛知県弥富市戸建500万円5.0万円550万円
神奈川県川崎市マンション1,000万円7.5万円退去予定
福井県福井市戸建600万円6.0万円700万円
千葉県市川市マンション950万円10.0万円退去予定
山形県南陽市戸建700万円8.0万円500万円
宮城県刈田郡七ヶ宿町戸建500万円6.0万円550万円
岩手県和賀郡西和賀町戸建400万円5.0万円280万円
茨城県東茨城郡茨城町マンション500万円6.0万円未定
東京都稲城市マンション800万円7.5万円600万円
石川県羽咋市戸建500万円6.0万円300万円
茨城県鹿嶋市戸建550万円6.0万円退去予定
栃木県下都賀郡壬生町戸建600万円8.0万円未定
静岡県掛川市戸建700万円7.5万円800万円
山形県米沢市戸建400万円5.0万円300万円
埼玉県さいたま市マンション900万円7.5万円650万円
茨城県神栖市戸建550万円6.0万円退去予定
長野県下伊那郡高森町戸建700万円7.0万円500万円
宮城県仙台市マンション500万円5.5万円550万円
富山県富山市戸建400万円4.5万円未定
静岡県沼津市戸建600万円8.0万円650万円
新潟県燕市戸建450万円4.5万円300万円
埼玉県新座市マンション600万円6.0万円退去予定
群馬県富岡市戸建300万円4.0万円200万円
福島県いわき市戸建600万円7.0万円450万円
岐阜県多治見市戸建400万円5.0万円未定
山形県米沢市戸建500万円6.0万円350万円
静岡県伊豆の国市戸建500万円6.0万円350万円
埼玉県比企郡マンション800万円8.0万円600万円
愛知県みよし市戸建400万円4.5万円450万円
岩手県一関市戸建650万円7.0万円700万円
山梨県甲州市戸建600万円6.5万円未定
石川県一関市戸建600万円7.0万円退去予定
愛知県小牧市戸建750万円8.0万円550万円
千葉県千葉市マンション700万円6.5万円退去予定
埼玉県鶴ヶ島市戸建800万円7.5万円550万円
宮城県黒川郡戸建900万円10.0万円650万円
千葉県浦安市マンション400万円4.5万円300万円
長野県佐久市戸建650万円7.0万円退去予定

となっており

過去の売買事例の金額を合計すると

  • 買取額合計:23,750万円
  • 買戻し予定額合計:20,600万円

ですから、実績値として

不動産リースバックの買戻し額の相場 = 売却額(買取額)の86.7%

になっているのです。

これは中小企業であり、不動産投資家が買い手だからこそ、実現できる「買戻し額設定」なのです。
上場非上場
対応エリア北海道・東北・関東・中部
実績-
査定スピード最短即日~1週間
資金化までの日数1カ月以内
査定・審査手数料0円
事務手数料-
査定額-
設定賃料(リース料)-
年齢-
保証人-

より具体的に「買戻し」を検討しているのであれば、

不動産リースバックでの売却額 > 買戻し額

となる可能性が高い、不動産リースバック会社をおすすめします。

不動産リースバックの「買戻し」時に住宅ローンは利用できるの?

teacher

不動産リースバックをする方にも、いろいろな事情があり、「住宅ローンを組んでも、買い戻したい」という方も少なくありません。

では、不動産リースバックの買戻しで、住宅ローンは利用できるのでしょうか?

結論

利用できます。

不動産リースバックという手続きをしてはいますが、

賃貸で住んでいた中古物件を買うための住宅ローン

という使い方は、決して珍しいものではなく、所有権が不動産リースバック業者であるというだけで、通常の中古物件の売買と変わらないため、住宅ローンを使うこと自体には問題はないのです。

ただし、状況により、審査面で不利になる可能性はあります。

以前住宅ローンを借りていたが、返済が厳しくなり、不動産リースバックを使って売却した金額で完済した。

という場合に

  • 返済遅延が発生していた。
  • 返済事故が発生していた。
  • 途中で完済したという事実を金融機関が快く思っていない。

ということが要因で、住宅ローン審査に通らない可能性もあります。

とはいえ、

  • 以前に金融機関に迷惑をかけていない
  • 返済負担率が十分に基準値の範囲内である
  • 安定した収入がある

方であれば、問題なく、不動産リースバックの買戻しで、住宅ローンを借りることができるはずです。

万が一、住宅ローンの審査落ちをしてしまっても

2社、3社別の銀行の住宅ローンを検討する

FPの私が絶対におすすめしたい住宅ローンランキング/新規借入編

審査の甘いフラット35を利用する

FPの私が絶対におすすめしたいフラット35比較ランキング

ことで、問題なく借りられるはずです。

また、住宅ローン控除(住宅ローン減税)も、2回利用することができる可能性が高いです。基本的に住宅ローン控除(住宅ローン減税)には、「1人一回まで」「同じ物件で2回使ってはいけない」というルールはありません。

FPが教える住宅ローン控除(住宅ローン減税)

不動産リースバックの買戻しでの注意点

家賃(リース料)の滞納で買戻しができなくなる!

不動産リースバックの場合、契約段階で

  • 買取額
  • 買戻し額
  • 家賃(リース料)

などが明記されるのが一般的です。

契約書に記載されているのですから、買戻し額を支払えばいつでも買い戻せるのです¥。

買戻しの権利のことを「再売買予約権」と呼びます。

しかし、家賃(リース料)を滞納してしまうと、この契約自体が無効、「再売買予約権」が消滅してしまう可能性が高いのです。

staff
「先に家賃を支払うという約束を破ったのは、あなたですよ。」

となってしまうのです。

契約書に

賃料支払を○カ月分以上遅延したときは理由の如何に関わらず本件予約完結権は消滅するものとする。

という記載があると、「再売買予約権」が消滅することを意味しています

将来の「買戻し」を想定しているのであれば、家賃(リース料)の滞納をしないことを心がける必要があります。

買戻しをすると増えるコストもある!

「買戻し」の一般的な相場は

不動産リースバックの買戻し額の相場 = 売却額(買取額)の110%~130%

ですが

これ以外にも、買戻しをするときには

  • 不動産リースバック業者の売買手数料(3.3%+6.6万円(税込))※とらない不動産リースバック業者もある
  • 固定資産税
  • 登記費用(登録免許税、司法書士報酬)
  • 火災保険料
  • 地震保険料
  • 必要であればリフォーム費用

が追加で発生してしまいます。

元々、ご自宅として住んでいたときと同じ費用がかかるので、注意が必要です。買戻し額だけの金額を用意すれば良いというわけではないのです。さらにプラスα費用が掛かると考えておきましょう。

契約時に契約書に「買戻し価格」を記入してもらう!

大抵の不動産リースバック業者では、契約書に「買戻し価格」を明記するはずです。

しかし、一部の不動産リースバック業者では、契約書には記載せずに、口頭だけで伝えてくる業者もいます。

口約束では、契約的な効力は弱くなってしまうため、数年後、十数年後に、買戻しを具体的に検討し始めてから、トラブルになりやすいのです。

契約書があれば、間違えない証拠になるため、「買戻し」を予定している方は、契約書に「買戻し金額」が明記されているかどうか、確認したうえで、記載がなければ「記載して欲しい。」という旨を不動産リースバック業者に伝えておく必要があります。

「買戻し金額」を下げるために「売却額(買取額)」を下げる方法も有効

「買戻し」を前提にするのであれば、あらかじめ「売却額(買取額)」を下げる方法もあります。

不動産価値:2,000万円の物件をリースバックする際には

  • 買取額:1,200万円(不動産価値の60%)
  • 買戻し価格:1,560万円(買取額の130%)

となります。

しかし、必要な金額は500万円であった場合に、ここまで高く売る必要性もないのです。

  • 買取額:500万円
  • 買戻し価格:650万円(買取額の130%)

あえて、物件の売却額を抑えることで、買戻し価格を下げて、買戻しのハードルを下げることも不動産リースバック業者によっては可能です。
  • 「買戻し」前提
  • 必要な資金額が売却額よりも低い

という点を不動産リースバック業者に伝えれば、大抵に不動産リースバック業者は、買取額を引き下げてくれるはずです。

「買戻し」額で不動産リースバック業者を比較する

前述した通りで

不動産リースバックの買戻し額は、不動産リースバック業者によって差があります。

  • 不動産リースバックの買戻し額 = 売却額(買取額)の130%
  • 不動産リースバックの買戻し額 = 売却額(買取額)の110%
  • 不動産リースバックの買戻し額 = 売却額(買取額)の87%

という業者があるのですから、1.5倍も買戻しにかかる費用が変わってくるのです。

「買戻し」前提であれば、不動産リースバック業者を比較するときに、「買戻し額」の相見積もりを取って、一番安く買い戻せる不動産リースバック業者を選ぶ

ということも重要な比較検討方法になるのです。

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まとめ

不動産リースバックの「買戻し」とは

  • 不動産リースバック会社に売却した自宅を、もう一度買い取って、自分の所有権を取り戻すこと

を意味します。

不動産リースバックの買戻し額の相場は

  • 不動産リースバックの買戻し額の相場 = 売却額(買取額)の110%~130%

です。売却額(買取額)よりも高く設定されることが多いのです。

teacher

ただし、不動産リースバック業者によっては

  • 不動産リースバックでの売却額 > 買戻し額

としている業者もあるので、多くの不動産リースバック業者に見積もり依頼をして、買戻し額を比較することが重要になります。

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