リースバックニュース分析|一建設が2024年10月に開設した福岡拠点は、いま公式の営業所一覧にない

2024年9月30日、一建設株式会社が「福岡県にリースバック事業の営業拠点を2024年10月1日に開設」と発表しました。このニュースそのものは拠点の開設ですが、発表から2年近く経った現在の公表内容と突き合わせると、拠点の一覧もプランの名前も変わっています。リースバックの会社を選ぶときに、発表時の情報をそのまま使ってよいのかを、実際に確かめた結果とあわせて整理します。

発表の内容と、いま公表されていること

プレスリリース(2024年9月30日)は、福岡県福岡市にリースバックの営業拠点を2024年10月1日に開設すると伝えています。

同じリリースは、事業開始が2020年4月で、当初は東京の本社のみ、2022年4月に大阪府吹田市、2022年10月に愛知県名古屋市へ営業拠点を開設したとしています。

2026年9月17日に公式サイトの営業所のページを確認したところ、掲載されているのは東京・横浜・大阪・名古屋の4営業所で、福岡の記載はありませんでした。

プランの名前も変わっています。リリースの「標準プラン」「定期プラン」「はじめの住み替え」に対し、現在の公式サイトは「長期賃貸プラン」「短期賃貸プラン」「買戻しプラン」の3つを掲げています。

プレスリリースが伝えたこと

飯田グループホールディングスの中核企業である一建設株式会社(本社:東京都豊島区、代表取締役:堀口 忠美、以下、一建設)は、福岡県福岡市にリースバックの営業拠点を2024年10月1日(火)に開設いたします。

出典:一建設株式会社「【一建設株式会社】福岡県にリースバック事業の営業拠点を2024年10月1日に開設」(PR TIMES、2024年9月30日)

資料:一建設のプレスリリース(PR TIMES、2024年9月30日)。福岡県福岡市にリースバックの営業拠点を2024年10月1日に開設すると書かれている
一建設のプレスリリースのページの画面キャプチャ。福岡県にリースバック事業の営業拠点を2024年10月1日に開設すると書かれている

リリースには、福岡県内で2005年8月の進出以来4,000棟を超える住宅を供給してきたこと、主力事業である分譲戸建住宅事業とリースバック事業の連携を加速させることも書かれています。

2026年9月時点の公表内容と突き合わせる

項目 プレスリリース(2024年9月30日) 公式サイト(2026年9月17日確認)
営業拠点 東京(本社)、大阪府吹田市、愛知県名古屋市。これに福岡を加える 営業所のページに掲載されているのは東京・横浜・大阪・名古屋の4営業所。福岡の記載はない
プランの名前 「標準プラン(普通賃貸借契約)」と「定期プラン(定期賃貸借契約)」の2プラン。加えて「はじめの住み替え」 「長期賃貸プラン(普通賃貸借契約)」「短期賃貸プラン(定期賃貸借契約)」「買戻しプラン(定期賃貸借契約)」の3つ
賃貸借契約の期間 記載なし 定期借家契約は2〜5年、普通借家契約は期間の制限なしと記載
賃料の特典 記載なし 短期賃貸プランで当初1年間の賃料が0円。ただし建物維持管理費用を決済時に1年分一括で預かり、1年未満での解約時も返還・精算はしないと注記
買戻し 記載なし 買戻しプランは、定期賃貸借契約中いつでも売却価格と同額での買戻しが可能。ただし購入時の諸経費(不動産取得税・登録免許税など)は買戻し時に利用者負担と注記
対象物件 記載なし 戸建・マンション・収益物件・工場・倉庫など幅広く取り扱い可能と記載
資料:一建設「リースバックプラス」の営業所のページ(2026年9月17日確認)
一建設リースバックプラスの営業所ページの画面キャプチャ。東京営業所の所在地と連絡先が掲載されている

営業所の一覧に載っていないことが、その地域で申し込めないことを意味するとは限りません。掲載の有無は公表の仕方によって変わります。ここで確認できたのは「2026年9月17日時点で、公式サイトの営業所のページに福岡の記載がない」という事実だけです。対応の可否は、各社へ直接確認してください。

このニュースの読み方

拠点の開設や撤退は、会社側の体制の話です。利用する側にとって意味を持つのは、そこから導かれる次の三つです。

図:拠点のニュースから、自分の判断に使えること

1. 対応エリアは公表の仕方で変わる

営業所の一覧を掲げる会社、対応可能エリアを都県別に列挙する会社、何も書かない会社があります。リースバックは全国一律ではないため、自分の物件の所在地が対象かどうかを最初に確かめる必要があります。

2. プランの名前は変わる

この2年で名称も構成も変わりました。記事や広告で見た名前が残っているとは限りません。契約の中身を判断するときは、名前ではなく「普通借家か定期建物賃貸借か」「期間は何年か」で見てください。

3. 特典には必ず条件が付く

賃料0円や同額買戻しといった特典には、公式の注記が付いています。注記まで読んで初めて、実際の負担が分かります。

どちらの契約かで何が変わるかは普通借家と定期借家の違いで比べています。一建設の現在の条件は一建設リースバックプラスの3プランを公式情報で確認で扱いました。各社の公表条件を同じ項目で並べた一覧はリースバック業者の比較にあります。

会社を選ぶときに、公表されているかどうかで分ける

リースバックでは、会社が公表している項目と、していない項目がはっきり分かれます。公表されているものは自分で確かめられ、されていないものは提示を受けるまで分かりません。

項目 公表の状況 確かめ方
賃貸借契約の種類 公表している会社が多い 公式サイトのプラン説明。普通借家か定期建物賃貸借かを見る
契約期間 会社により分かれる 定期建物賃貸借なら年数が書かれているか。更新ではなく再契約である点も確認する
営業所・対応エリア 公表している会社と、していない会社がある 営業所の一覧、または対応可能エリアの記載
買取価格・賃料の水準 公表されていない 査定を受けて実額で比べるしかない
賃貸開始時の費用 公表している会社がある 敷金・保証会社加入料・保険料の目安が書かれているか
買戻しの条件 枠組みだけ公表している会社がある 価格の決め方、行使できる期限、別途かかる費用の注記まで読む

公表されていない項目を比べるには、同じ条件で複数社から見積もりを取るしかありません。手順はリースバックの相見積もりに、申込から入金までの流れはリースバックの申込から入金までの流れにまとめています。

拠点の近さより先に、国が示している定義と論点を押さえる

国土交通省は令和4年6月24日に「住宅のリースバックに関するガイドブック」を公表しています。同じ報道発表によれば、ガイドブックはリースバックを「住宅を売却して現金を得て、売却後は毎月賃料を支払うことで、住んでいた住宅に引き続き住むサービス」と位置づけています。あわせて、近年は高齢者世帯を中心に利用が増加傾向にある一方で、契約内容や将来の収支計画について消費者の理解が不十分なまま契約を締結したことなどを理由とするトラブル事例も見られる、と書かれています。

つまり、問題になりやすいのは会社の所在地ではなく、契約の中身の理解です。さらに2026年10月1日からは、宅地建物取引業者を対象とした国土交通省の解釈・運用の考え方が施行され、事実を告げないことが禁じられる事項が示されます。中身の要点はリースバックに国のガイドラインができたで取り上げています。

確認する順番 見るもの 根拠
1 賃貸借が普通借家か定期建物賃貸借か 定期建物賃貸借にするには書面での契約と事前の説明が必要(借地借家法38条1項・3項)。説明がなければ更新がない旨の定めは無効(同条5項)
2 期間と、終わったあとの扱い 普通借家は更新(同法26条1項)、定期建物賃貸借は再契約の合意が必要
3 賃料の改定条項 定期建物賃貸借で改定の特約があると、借賃増減請求の32条が適用されない(同法38条9項)
4 特典に付いている注記 各社の公表内容。賃料0円や同額買戻しには条件が付く

よくある質問

一建設のリースバックは福岡で利用できますか

2024年9月30日のプレスリリースでは、福岡県福岡市に営業拠点を2024年10月1日に開設するとされています。一方、2026年9月17日時点で公式サイトの営業所のページに掲載されているのは東京・横浜・大阪・名古屋の4営業所です。対応の可否は会社へ直接確認してください。

「標準プラン」「定期プラン」は今もありますか

2026年9月17日時点の公式サイトは「長期賃貸プラン(普通賃貸借契約)」「短期賃貸プラン(定期賃貸借契約)」「買戻しプラン(定期賃貸借契約)」の3つを掲げています。リリース当時の名称とは異なります。

1年間賃料0円というのは本当ですか

公式サイトは短期賃貸プランについて、定期賃貸借契約で1年間の賃料が0円になると説明しています。ただし、賃料0円は当初1年間の賃料に限られること、別途、建物維持管理費用(固定資産税等相当額、区分所有建物の場合は管理費・修繕積立金等)を決済時に1年分一括で預かること、1年未満での解約時も返還・精算はしないことが注記されています。

売却価格と同額で買い戻せるのですか

公式サイトは買戻しプランについて、定期賃貸借契約中にいつでも売却価格と同額での買戻しが可能としています。ただし、同社の購入時にかかった諸経費(不動産取得税・登録免許税など)は買戻し時に利用者の負担になると注記されています。

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