リースバックの買取価格はどう決まる?家賃とのトレードオフと相場の調べ方

リースバックの見積もりを取ると、想像より買取価格が低くて驚くことがあります。これは業者が不当に安く買い叩いているとは限りません。リースバックの買取価格は、通常の売却とは違う条件のもとで決まるためです。国土交通省がガイドブックで指摘しているとおり、契約内容や将来の収支計画への理解が不十分なまま契約してしまうとトラブルにつながります。ここでは、買取価格がどう決まり、何とトレードオフになっているのかを整理します。

この記事の要点

  • リースバックの買取価格は、入居者付きの物件を賃貸として運用する前提で決まります。通常の売却価格と同じにはなりません。
  • 差し引かれるのは早期・確実に売れることの対価、賃貸中であることの制約、買主の諸費用と利益です。
  • 買取価格を上げれば、家賃も上がります。同じ利回りの前提なら両者は連動します。同時に最適化できません。
  • 国土交通省は令和4年6月24日に「住宅のリースバックに関するガイドブック」を公表し、将来の収支計画の理解不足によるトラブル事例に触れています。

買取価格が通常の売却価格と同じにならない理由

買主から見ると、リースバックで買う物件は「売主がそのまま住み続ける物件」です。自分で使うことも、すぐ空室にして売り直すこともできません。この違いが価格に反映されます。

リースバックの買取価格が市場での売却価格と同じにならない理由を示した図。早期・確実性、賃貸中の制約、買主の諸費用と利益が差し引かれることを帯で表している
価格構成の考え方を編集部で整理したものです。各要素の割合は物件と買主によって異なります。
差し引かれる要素 買主にとっての意味 売主にとっての見返り
早期・確実性 広告や内見の期間がなく、買い手を探す手間がない 売れるまで待たずに現金化できる。売れ残るリスクがない
賃貸中の制約 自分では使えず、転売先も投資家に限られる 引っ越さずに済む。生活の場を変えなくてよい
諸費用と利益 登記費用、税金、管理の手間、空室リスクを負う これらの手間を引き受けてもらえる

つまり買取価格の差額は、「速さ」と「住み続けられること」を買っている対価という側面があります。金額だけを見て安いと判断する前に、通常売却なら何か月かかり、その間の返済や生活をどうするのかを並べて比べてください。

買取価格と家賃は連動する

もっとも見落とされやすいのがここです。買主にとって家賃は、投じた金額に対する収益です。買取価格が上がれば、同じ利回りを確保するために家賃も上がります。

買取価格と家賃の関係を示した図。同じ利回りの前提では買取価格が上がると家賃も上がることを計算例で示している
仕組みを示すための計算例です。実際の利回りは買主・物件・地域によって異なります。
「買取価格も高く、家賃も安く」は成立しません。まとまった現金が必要なのか、住み続ける間の支出を抑えたいのか。どちらを優先するかを先に決めてから見積もりを比べないと、条件の良し悪しを判断できません。国土交通省も、契約内容や将来の収支計画への理解が不十分なまま契約したことを理由とするトラブル事例があると指摘しています。
国土交通省の公式サイトに掲載された住宅のリースバックに関するガイドブックを公表しましたという報道発表資料の画面
出典:国土交通省「『住宅のリースバックに関するガイドブック』を公表しました」(令和4年6月24日)。ガイドブックではリースバックを「住宅を売却して現金を得て、売却後は毎月賃料を支払うことで、住んでいた住宅に引き続き住むサービス」と定義しています。

買取価格の前提になる「相場」を自分で調べる

見積もりが妥当かどうかを判断するには、比較の物差しが要ります。無料で使える公的なデータで、通常売却ならいくらくらいかの当たりをつけられます。

  1. 取引価格を調べる。国土交通省の土地総合情報システムで、地域・時期・種類を指定して実際の取引価格を確認できます。同じ町名、似た面積、近い築年の事例を数件そろえます。
  2. 路線価で土地の水準を確認する。国税庁の財産評価基準書で路線価を確認します。相続税評価は地価公示の水準の8割程度を目途としているため、割り戻すと土地の水準の目安になります。
  3. 建物の残存を見る。築年数と構造から、建物にどれだけ価値が残るかを見ます。古い戸建てでは、実質的に土地の評価が中心になることがあります。
  4. 複数社に見積もりを取る。1社だけでは高いか安いか判断できません。買取価格と家賃をセットで並べ、同じ条件で比較します。

売却相場を一括査定で確認する

通常売却ならいくらで売れそうかを知っておくと、リースバックの見積もりを評価する基準ができます。複数社へまとめて査定を依頼できるサービスが使えます。

イエウールで売却査定を依頼する

査定額はあくまで通常売却を前提とした価格です。リースバックの買取価格はそこから前述の要素が差し引かれた水準になります。両方の数字を持ってはじめて、見積もりが妥当かを判断できます。

見積もりを比べるときの並べ方

買取価格だけを横に並べても選べません。次の項目をセットで表にすると、条件の差が見えます。

確認項目 見るポイント
買取価格 手元に入る金額。残債があれば完済できるか
毎月の家賃 これまでの住宅ローン返済額と比べてどうか。年単位で総額を出す
賃貸借契約の種類 定期借家か普通借家か。定期借家なら期間と再契約の条件
契約期間 何年住めるのか。更新の可否と条件
買戻しの可否 買い戻せるのか。価格と期限がどう定められているか
修繕の負担 設備の故障や修繕費を誰が負担するのか
初期費用 敷金・礼金・仲介手数料など、売却時に差し引かれるもの

この表を埋めていくと、買取価格が高い提案が必ずしも有利ではないことが分かります。家賃が高く、契約期間が短ければ、数年後に住む場所を失う可能性が残るためです。

比較の起点にする3社の条件

上の表を埋める相手として、まず条件が公表されている業者から並べます。同じ項目を同じ順番で書き出せば、買取価格の高さだけで判断していないかを自分で確かめられます。

上場非上場※東証一部上場飯田グループホールディングスの子会社
対応エリア全国
実績分譲住宅販売戸数日本一の飯田グループホールディングス
査定スピード1日~3日
資金化までの日数最短2週間
査定・審査手数料0円
事務手数料-
査定額-
設定賃料(リース料)※定期借家契約の場合は、1年目家賃無料
年齢20歳以上
保証人不要
上場非上場※セゾングループ
対応エリア全国
実績-
査定スピード最短即日
資金化までの日数最短2週間
査定・審査手数料0円
事務手数料-
査定額-
設定賃料(リース料)-
年齢20歳以上
保証人原則不要
上場非上場
対応エリア北海道・東北・関東・中部
実績-
査定スピード最短即日~1週間
資金化までの日数1カ月以内
査定・審査手数料0円
事務手数料-
査定額-
設定賃料(リース料)-
年齢-
保証人-

買取価格の「妥当性」をどこで判断するか

リースバックの買取価格には、公的に定められた計算式も、届け出が必要な基準もありません。だからこそ、判断の物差しは自分で用意することになります。実務的には、次の3つの角度から見ると納得のいく判断ができます。

ひとつ目は、通常売却との比較です。査定で得た売却相場に対して、提示された買取価格がどの水準にあるかを見ます。差が大きい場合、その差で何を買っているのか、業者に説明を求めてください。速さなのか、居住の継続なのか、答えられない業者は候補から外して構いません。

ふたつ目は、家賃との整合です。買取価格に対する年間家賃の比率を計算し、複数社で並べます。買取価格が低いのに家賃も高い提案があれば、そこは条件が悪いと判断できます。逆に、買取価格が高くても家賃が抑えられていれば、契約期間の短さなど別のところに条件が寄っている可能性があります。

みっつ目は、必要額との照合です。そもそも何のためにいくら必要なのかを先に決めておくと、判断が速くなります。残債の完済に足りるか、当面の生活費をまかなえるか。目的の金額を満たさない提案は、いくら条件が良く見えても選べません。

買取価格が下がりやすい物件

条件 価格に効く理由
再建築不可 建て替えができず、買主にとって出口が限られる
借地権付き 地主の承諾が必要で、権利関係が複雑になる
共有名義 共有者全員の同意が必要になる
残債が多い 売却代金で完済できなければ、そもそも成立しない
需要の薄い立地 将来の転売先が限られ、買主が負うリスクが大きくなる

とくに残債は決定的です。売却代金でローンを完済できなければ抵当権を外せず、リースバック自体が成立しません。まず返済予定表で残債を確認してから見積もりを取ってください。

よくある質問

リースバックの買取価格は市場価格の何割ですか

一律の割合はありません。物件の条件、家賃の設定、買主が求める利回りによって変わります。公的に定められた基準もないため、複数社の見積もりで比べる必要があります。

買取価格を高くしてもらうことはできますか

家賃を高く設定すれば買取価格も上がりやすくなりますが、その分、毎月の支出が増えます。どちらを優先するかの選択になります。

相場は自分で調べられますか

調べられます。国土交通省の土地総合情報システムで取引価格を、国税庁の財産評価基準書で路線価を確認できます。

残債が買取価格を上回る場合はどうなりますか

抵当権を外せないため、そのままではリースバックは成立しません。差額を自己資金で補うか、任意売却の検討になります。

買取価格が安い業者は避けるべきですか

価格だけでは判断できません。家賃、契約期間、契約の種類、買戻し条件を含めて総額と居住の安定性で比べてください。

国土交通省の資料はどこで読めますか

「住宅のリースバックに関するガイドブック」が令和4年6月24日に公表されています。報道発表資料のページから各PDFを確認できます。

参照した公的情報

買取価格と家賃の条件は、物件と業者によって大きく変わります。契約の前に、契約書の条項と将来の収支を確認してください。

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