不動産リースバックの退去とは?退去できるタイミング、退去後の対応、強制退去はあるのか?

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「不動産リースバックっていつでも退去できるの?」
「不動産リースバックで退去するときはどうすれば良いの?」
「不動産リースバック業者に強制的に退去させられることはあるの?」

不動産リースバックを利用している方にとって「退去」という選択肢も、重要な選択肢の一つです。今回は、不動産リースバックの退去について丁寧に解説していきます。

不動産リースバックの退去とは?

不動産リースバックをした場合、多くの不動産リースバックでは「定期建物賃貸借契約」を契約します。

定期建物賃貸借契約とは
契約の更新がない「特約」を入れた賃貸借契約のこと

を言います。

通常の建物賃貸借契約(普通賃貸借契約)の場合、更新の拒絶や解約に対して正当事由が必要とされるため、不動産リースバック業者は、より縛りの緩い「定期建物賃貸借契約」を採用することが多いのです。

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「えっ、契約の更新できないの?」

できます。

定期建物賃貸借契約でも、「再契約」ができるので

  • 更新年(2年、3年ごと)に再契約して、住み続ける
  • 買い戻す
  • 退去する

という3つの選択肢が、不動産リースバックでは用意されているのです。

不動産リースバックというのは、マイホームの所有権は、不動産リースバック業者に移っています。そこから賃貸で借りているだけですので

不動産リースバックの退去 = 通常の賃貸物件の退去

と変わらないのです。

不動産リースバックの退去が、通常の賃貸物件と違う点はあるの?

あります。

通常の賃貸物件の場合

賃貸物件のオーナーは、次の賃借人を探す必要が出てきます。家賃を途切れさせないためです。

不動産リースバックの場合

物件は、解体して、土地として不動産リースバック業者が、第三者に売却する形となります。

不動産リースバック業者によって退去後の物件の管理方針は異なりますが、多くの不動産リースバック業者が更地にしての売却を見込んでいます。

不動産リースバック業者は「売却」もしくは「買い戻し」になって初めて、売却益が出るため

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早く「退去」か「買い戻し」をしてほしい。

と考えるところが多いのです。

そのため、

  • 「退去」
  • 「買い戻し」

は、いつでもOKというスタンスになっています。

不動産リースバックの退去に関するよくある質問

不動産リースバックの退去は、いつできるの?

基本的には、いつでも退去は可能です。

不動産リースバックと言っても、「買戻しができる」こと以外は、通常の賃貸物件と変わらないため

「退去したい。」という意思表示「退去予告」を退去日の1カ月前に不動産リースバック業者にできれば、そのまま退去が可能となります。

※「退去予告」が必要なタイミングが、1カ月前なのか、2カ月前なのか、2週間前なのか、は不動産リースバック業者との契約内容によって異なるため、事前に契約書を確認しておくと良いでしょう。

不動産リースバックの退去後は、「買戻し」はできますか?

できません。

不動産リースバックでは、退去後に解体して、更地(土地)を第三者に売却する形を取る業者が多いです。

解体しなくても、中古物件として、第三者に売却することになってしまうため、買い戻したくても、買い戻すことはできません。

「買戻し」をしたいのであれば、「退去」してはいけないのです。

再購入(買戻し)ができない場合は、退去しなければならないのですか?

再購入(買戻し)できなくても、退去の必要性はありません。

不動産リースバックは

  1. 住み続ける
  2. 退去
  3. 買戻し

という選択肢が、常に取れることがメリットです。

退去時の家賃はどうなるの?

これも契約によります。

  • 日割計算
  • 月割計算

があり

  • 日割り計算 → 退去した日までを日割りにして、家賃が発生します。
  • 月割り計算 → 退去した月の家賃が全額発生します。

日割り計算を採用している不動産リースバック業者が多いです。

退去時の原状回復は必要ですか?

不動産リースバックでは

敷金なし

という業者が増えています。

通常の一般賃貸であれば、この敷金から、現状回復費用を捻出し、クリーニングして、他の人に貸せる状態にしてから退去という形になります。

しかし、不動産リースバック業者の場合は、前述した通りで、「更地にして売却」という方法を取る業者が多いため、とくにクリーニングしたり、他の方に賃貸させる状態に原状回復する必要性がないのです。

ただし、残置物などがあると撤去費用が発生するため、退去にあたっては、私物は撤去する必要があります。

退去時に費用は発生しますか?

退去に関する特別な費用は、発生しません。

住んでいる月(日)までの家賃のみが発生します。

また、当然ですが「引っ越し」を伴うため

  • 引越し費用

は発生します。

同時に新居を賃貸物件で探すのであれば

  • 新居の初期費用(不動産会社の仲介手数料、敷金、礼金)
  • 新居の家賃(1カ月分、2カ月分の入金)
  • 新居の家具の費用(カーテン、照明など)

が必要になります。

家賃の5カ月分~6カ月分のコストがかかると考えておきましょう。

退去時に掃除をしておく必要はありますか?

不動産リースバックの場合、解体して、更地にするため、クリーニング業者のような徹底的なそうじは不要です。

しかし、長年住んだ愛着のあるご自宅であることを考えると

丁寧に感謝の気持ちを込めて、できるだけ掃除する

ことをおすすめします。

その方が、気持ちも整理しやすいのではなでしょうか。

不動産リースバックに強制退去はあるの?

あります。

家賃を滞納した場合

不動産リースバックで「家賃滞納」があっても

すぐに強制退去とはなりません。

しかし、家賃を滞納したら延滞損害金が発生し、不動産リースバック業者からの督促に対しても、支払が停止したままであれば、強制退去となってしまうのです。

目安としては

  • 1カ月以内:電話連絡、督促状
  • 2カ月目:連帯保証人への電話連絡、訪問して催促、内容証明郵便での書面通知
  • 3カ月~6カ月:解約解除通知、裁判所による強制退去

となってしまいます。

  • 家賃の滞納を解消した場合
  • 家賃の滞納を解消する目途があることを不動産リースバック業者に連絡し、承諾を得た場合

であれば、強制退去にはならない可能性が高いです。

不動産リースバック業者の経営が悪化した場合

不動産リースバック業者は

買取費用を捻出して、売却益がでるのは「退去」「買戻し」が発生したタイミングです。

不動産リースバック業者の資金繰りが問題ない状況

staff
「住み続けてもらっている限りは、家賃収入があるから、いつまでもいてもらって構いませんよ。」

というスタンスですが

不動産リースバック業者の資金繰りが悪化した場合

staff
「早く不動産を売却して、資金を作らないと、会社が倒産してしまう。」

という状況に陥ってしまいます。

契約内容にもよりますが、そうなると、不動産リースバック業者の都合で「強制退去」させられ、不動産は売却されてしまう可能性があるのです。

経営規模が大きくない不動産リースバック業者ほど、このリスクは高くなってしまうと考えましょう。

不動産リースバックで退去を決めたら、退去後はどうすれば良いのか?

基本的には普通の賃貸物件の退去と同じです。

退去1カ月前
  • 新居を探し、新居を決める
  • 退去の意思を不動産リースバック業者に伝える
退去1週間前
  • 電気、水道、ガスの解約、名義変更
  • 家賃の口座振替停止の手続き
  • 近所へのご挨拶
退去前日まで
  • 転出届の提出(転出証明書をもらい、転入届の提出)
退去当日
  • 退去立合い
  • 鍵の返却

という流れになります。

不動産リースバックでの退去時の注意点

注意点その1.家族に事情をしっかりと説明しておく

不動産リースバックは、自宅に住み続けられるので

  • 自宅が売却されたこと
  • 自宅を賃貸として借りていること

を、家族に話さなくても、生活に違いがないため、気付かれないことも少なくありません。

しかし、退去となれば

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「なぜ、退去(引っ越し)するのか?」
「自宅を売却するときの資金はどうするのか?」
「退去後に自宅はどうするのか?」

など、ご家族や親せきから、質問攻めになることが簡単に想像できます。

不動産リースバックをしている事情を説明しないと、後々にトラブルになってしまうため、少なくとも、家族には、きちんと事情を説明することをおすすめします。

ご近所の方などは、その物件を不動産リースバックしていたことなどは、ほとんどバレないため、引っ越しのあいさつだけすれば、問題は発生しません。

注意点その2.退去には余裕をもって動くべき

通常の賃貸とは違って

長らく、自宅として使っていた物件を退去する

のですから、不動産リースバックの退去の方が

  • 家具が多い
  • 荷物が多い
  • 愛着がある

のは間違えありません。

心の整理や、物の移動、必要であれば売却なども含めて動く必要があるため

一人暮らしの大学生の退去の何倍も、時間がかかるものと考えましょう。

  • 納得できる新居を探す
  • 不要なものは処分する
  • 家族に事情を丁寧に説明する

余裕をもって、退去のスケジューリングをする必要があります。

注意点その3.退去する際は「残置物」がない状態にしておく

退去の時に残置物が残されてしまうと、不動産リースバック業者は「撤去費用」が発生してしまうため、トラブルになるケースが少なくありません。

ご自宅として長年住んでいると

  • 仏壇
  • エアコン
  • ガスコンロ
  • 照明

など、当然のように多くのものが残されます。

まずすべきことは

不動産リースバック業者に

  • 退去の際に残しておいても良いもの?
  • 退去までに撤去しなければならないもの?

を聞いておくことです。

現在は、不用品回収を利用しても、料金が発生することが少なくありません。ネットオークションなどで安値でも売却するためには、ある程度時間が必要になります。

残置物撤去には、時間がかかるので「退去」の際には、余裕をもって取り掛かる必要があるのです。

不動産リースバックで「退去」するなら早い方が良い!?

不動産リースバックには

  1. 住み続ける
  2. 退去する
  3. 買い戻す

という3つの選択肢が用意されています。

基本的に不動産リースバックの場合は

通常の賃貸物件よりも、家賃が高い

というのが一般的です。

通常の家賃の1.1~1.3倍

ぐらいが相場と考えましょう。

リースバックの家賃設定はこちら

長く住めば済むほど、家賃割高のコスト負担が大きくなってしまいます。

  • 「買戻し」ができない

ということ予想できているのであれば

  • 早めに退去する

というのも賢い選択肢です。

ズルズルと更新して住み続けながら、結局、「買戻し」せずに退去することになるのであれば、「退去」して、割安な家賃のところに早めに引っ越した方が費用負担は、少なくできるのです。

「退去」するなら、できる限り早い決断の方がコスト負担は少なくて済むのです。

不動産リースバックで「退去」したら、近所の人にバレてしまう?

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近所の方、親戚の方に「ご自宅の売却」を知られたくないから、不動産リースバックを利用する

という方も少なくありません。

しかし、「退去」するときは、引っ越しをせざるを得ず、引っ越し先が賃貸マンションなどであれば、近所の方、親戚の方に「ご自宅の売却」がバレてしまいます。

これは致し方ないことですが

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「自宅を売却して、引っ越したんです。」

と言っても、「賃貸物件ではなく、購入したんだ。」と思ってもらうためには

戸建て物件を賃貸すること

をおすすめします。

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戸建て物件であれば、中古物件の購入か?賃貸か?は、外から判別することはできません。

近所の方、親戚の方に「ご自宅の売却」を知られるリスクを回避するためにやるべきことはやっておきましょう。

不動産リースバックの物件に愛着があるのであれば「買戻し」をできるだけ検討する!

不動産リースバックを利用している物件というのは、ご自宅なのですから

  • 夢のマイホーム
  • 子供たちの想い出が詰まっている
  • 夫婦の想い出が詰まっている

愛着がある物件である可能性が高いです。

前述した通りで

不動産リースバック業者は、「退去」後に「解体」して「更地」として第三者に売却することになります。

想い出の詰まったご自宅が解体されてしまうということが受け入れられないという場合には

  • 家族
  • 親族
  • 知人

などから、買戻し費用を借りて、「買い戻す」というのも、一つの選択肢ではあります。

「退去」して、新居に引っ越しで家賃が発生するのであれば、家賃の代わりに借りた買戻し費用を返済することも可能です。最後まで、「退去」ではない「買戻し」という選択肢も、できる限り検討してみましょう。

不動産リースバックの買戻し額はいくらになるの?リースバック時の売却額(買取額)と同じ?高し?安い?

まとめ

不動産リースバックの退去は

  • いつでも可能
  • 通常の賃貸物件の退去とほぼ同じ
  • 一旦「退去」すると「買戻し」はできなくなる
  • 原状回復は不要だが、残置物の撤去が必要
  • とくに退去に関する費用は発生しない(引っ越し、新居に関する費用は発生する)

という特徴があります。

また、

  • 1カ月前までに不動産リースバック業者に退去予告する

必要があるので注意しましょう。契約によっては、もっと前に告知する必要があります。

そのほかの不動産リースバックでの退去時の注意点

  • 注意点その1.家族に事情をしっかりと説明しておく
  • 注意点その2.退去には余裕をもって動くべき
  • 注意点その3.退去する際は「残置物」がない状態にしておく
teacher
不動産リースバック後は、ご自宅は「解体」されて、「更地」にして売却されるのが一般的です。ご自宅に愛着が強いのであれば、ギリギリまで「買戻し」の可能性を探るのも、一つの方法です。家族全員が納得いく形での「退去」「買戻し」をおすすめします。
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